一般？専任？専属専任？媒介契約の違いについて解説

不動産会社に所有する不動産の売却を任せることになり「専任媒介契約」を締結したけれど、一向に売れないと嘆いている方もおられることでしょう。

今回は「媒介契約」についての解説をいたしますので、なかなか不動産の売却が進まない方や現在自宅などの売却を検討中の方はぜひ参考にしてください。

 

１.媒介契約とは？

不動産を売却する際には不動産会社に依頼し、業者に仲介に入ってもらって取引を行うのが一般的です。仲介を依頼する際に仲介業者と交わす契約を「媒介契約」といいます。

「媒介契約」は下記の３種類に分類されます。

 

「一般媒介契約」

一般媒介契約においては同時に契約できる不動産業者の数に制限はありません。また、自分で買主を見つけてきた場合、不動産会社を通さずに売却することも可能です。

一方で不動産業者側は売却活動に関する報告義務はなく、レインズ（多くの宅建業者が加盟する不動産流通機構）への登録義務も生じません。一般媒介契約では契約期間の定めはありません。

 

「専任媒介契約」

専任媒介契約は同時に複数の不動産業者と契約を締結することはできません。また、専任媒介契約においても自分で買主を見つけてきた場合、不動産会社を通さずに売却することが可能です。不動産業者側は売主に対し１４日に１回売却活動に関する報告義務が生じ、媒介契約締結後７日以内にレインズ（多くの宅建業者が加盟する不動産流通機構）へ物件を登録する義務が生じます。専任媒介契約の契約期間は３ヶ月と定められています。

 

「専属専任媒介契約」

専属専任媒介契約も同時に複数の不動産業者と契約を締結することはできません。また、自分で買主を見つけてきた場合、専属専任媒介契約を締結している不動産会社に仲介を依頼しなければなりません。不動産業者側は売主に対し７日に１回売却活動に関する報告義務が生じ、媒介契約締結後５日以内にレインズ（多くの宅建業者が加盟する不動産流通機構）へ物件を登録する義務が生じます。専属専任媒介契約の契約期間も３ヶ月と定められています。

 

	一般媒介 契約	専任媒介 契約	専属専任 媒介契約
同時に契約で きる不動産会社の数	定めなし 複数可能	１社のみ	１社のみ
自ら買主を発 見した場合	不動産業者を 通さず契約 できる	不動産業者を 通さず契約 できる	不動産業者に 依頼しなけれ ばならない
売却活動 報告義務	報告規定なし	１４日に１回	７日に１回
レインズ への登録	登録義務なし	契約後 ７日以内	契約後 ５日以内
契約期間	定めなし	最長３ヶ月	最長３ヶ月

 

一般媒介契約と違い専任媒介契約や専属専任媒介契約は１社としか締結できない為、より精力的な営業活動を期待することができると言えます。

売り出しを任せることが決まった業者と何らかの媒介契約を締結することになるわけですが、任せようとしている不動産業者の販売活動に関してある程度チェックするようにしましょう。

チェック項目としては不動産情報のネット広告媒体（スーモなど）や自社ウェブサイトのアップデート状況、チラシなどの紙媒体の配布をどの程度行っているか、現地に売物件看板などを設置しアピールできているのかなど、デジタルとアナログの両面から広告をかけるノウハウを持っているかをチェックしましょう。

これまでの販売実績や営業実績など、担当者との打ち合わせの際に聞いてみるのもいいでしょう。担当者が物件のアピールポイントをしっかり理解した上で売り出してくれているかどうかも重要なポイントです。

専任媒介契約や専属専任媒介契約を締結していても一向に売却が進まない場合は広告内容の見直しを求めたり、売り出し価格が適正かどうか成約事例や近隣の物件価格の調査を含め、改めて精査し直してもらうようにお願いしてみましょう。

もしも不動産会社と専属専任媒介契約や専任媒介契約を締結していても長期にわたり買い手が見つからない状況の場合は、よりよい不動産業者を探しなおすことも選択肢となるでしょう。

プロの目線で的確な提案をしてくれる業者選びこそ早期高値売却の基本となります。

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